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重度化した場合における対応に係る指針

当事業所の重度化に関する考え方利用者本人(以下、ご本人)および利用者のご家族(以下、ご家族)が希望される場合に、重度化の介護を実施いたします。障害に伴う機能低下、突然の疾病や外傷により、回復の見込みがないと判断された場合に、痛みなどの苦痛症状の軽減に努め、穏やかで安らかな日々を過ごしていただくための心理的ケアを中心に実施いたします。ご本人とご家族の意思を尊重し、医療機関との連携体制を整え、適切な環境で残された人生を充実したものにするために介護を提供します。ご本人がその人らしく生き、その人らしい最期が迎えられるよう支援します。

また重度化に際しては、その時々でご本人やご家族のお気持ちは変化します。ですから同意書に署名をされた後でも、お気持ちに沿った形でケアの方向性を変更できます。

Ⅰ.経過とそれに応じた介護の考え方

対象:重度化について十分理解し、重度化に関する指針に同意があった利用者慢性疾患や障害に伴う機能低下、突然の疾病や外傷により心身が衰弱し、医学的に回復の見込みがないと医師に診断される状態にある利用者

⑴入居当初や面会時
 ご本人においてご家族と一緒に確認します。
⑵月単位(1か月前と比べて体力がかなり低下している状態)
 意識がはっきりしているうちに会いたい人に会い、行きたい場所に行けるようにご家族と協力して支援します。

⑶週単位(1週間前と比べて体力がかなり低下している状態)
 衰弱し始めている変化を観察し、ご家族や医療機関との連携を密にとり支援します。ご本人の状態に応じて安楽を最優先に支援します。

⑷日にち単位・時間単位(日々刻々と衰弱が進み臨終が間近に迫っている状態)
 ご家族が交代で常にご本人のそばにいて、最期まで看取ることができるよう支援します。ご本人の苦しみがないように安楽な姿勢保持など
 身体的な支援を中心に行います。

⑸臨終・死後の振り返り
 臨終に際してご本人やご家族への労い、また互いの人生の振り返りが前向きにできるよう支援します。

1 事業所において看取りに関して行いうる医療行為の選択肢
当事業所で看取りに関して行いうる医療行為は、「重度化の介護」について十分に説明し、ご本人及びご家族に同意を得ます。またご本人の状態に応じて、追加説明を行ないます。利用者が医療機関へ入院し、2週間以上経過したのち退院の見込みが立たない場合には退所等の検討もご本人、ご家族、医療機関との話し合いで方向付けます。なお入院中の費用は、部屋使用料・私物代管理費・代行費等についてはご請求いたします。

2 医師や医療機関との連携体制(夜間及び緊急時の対応も含む)
主治医や看護師(訪問看護ステーションやつで)と24時間連携を取ることができる体制を確保します。また、重度化の実施に当たり、多職種(医師・看護師・介護職員・介護支援専門員など)による適切な情報共有に努めます。

3 利用者等への情報提供及び意思確認の方法
入居当初かご家族面会時、また状態変化時、担当者会議の際などに「重度化の介護」によりご本人の意思を確認します。ご本人の意思表示が困難な場合は、ご家族の代理判断となりますが、あくまでもご本人の意向を反映した判断である場合に限ります。

4 利用者等への情報提供に供する資料及び同意書の書式
⑴情報提供
重度化に際して、ご本人の状態変化や関係者の協議(担当者会議等)内容について、ご本人及びご家族にその都度、記録もしくはその他の手段で情報提供いたします。

重度化についての同意書作成
ご本人及びご家族、医療機関、事業所、その他関係者の協議の結果、重度化について合意した場合には「重度化についての同意書」に関係者が署名捺印を行い、ご本人及びご家族に交付します。

⑶重度化の介護における計画書作成
ご本人及びご家族、医療機関、事業所、その他関係者が参加するカンファレンスを開催し、ご本人の意向をふまえ重度化の介護についての計画書を作成し同意を得て、ご本人及びご家族に交付します。

5.家族等への心理的支援に関する考え方
ご家族はご本人の重度化に際して、身体的・心理的・社会的に大きな負担があります。ご本人がどのような最期を望んでいるのかを、受け止めご家族とともに支えます。また必要な医療処置やご本人の状態変化について、ご家族が十分に理解してそれに介入することができるよう支援します。臨終時のお別れや、その後の手続きなどご家族が不安なく行えるように必要な助言等を行います。

6.重度化の介護を受ける利用者に対して事業所の職員がとるべき具体的な対応方法
⑴具体的ケア
①身体的ケア 
㋐医療処置として、点滴・酸素吸入・吸引や苦痛緩和のための対応等が必要とされる場合の確認と専門職による実施体制の検討
㋑ご本人が希望し安全な方法での栄養・水分摂取
食べる楽しみをできる限り維持するための支援
口腔ケア・入浴・部分浴・清拭・必要な被服の更衣や寝床空間の清潔援助
トイレ誘導・介助・尿量チェック・オムツ交換・排便調整などの排泄援助
㋕その他

⑵精神的ケア
㋐医療機関との連携による苦痛緩和や不眠対策などの徹底
感情の表出を助けるコミュニケーション
㋒不安やさびしさ、孤独を感じさせない支援

⑶社会的ケア
㋐ご家族に対しての支援(精神的な負担への配慮 重度化の介護に参加してもらえるような支援)
㋑ご家族の宿泊や面会が自由にできる場の提供
㋒ご本人らしい生活空間やプライバシーの確保、過ごしやすい環境の整備
㋓会いたい人、行きたい場所など望みを叶える支援
㋔臨終時と死後の対応

7.重度化に関わる記録
⑴重度化についての同意書
⑵重度化の介護計画書
⑶経過観察記録・支援経過記録
⑷カンファレンス・担当者会議の記録
⑸重度化の経過記録
⑹重度化の介護終了時のカンファレンス記録

8.重度化に関する共通認識のための研修
⑴重度化の身体的ケアに係わる知識と苦痛の緩和
緊急時の連絡体制と対応
インフォームドコンセントと記録の整備
ご家族の心理的支援と面会・宿泊の支援
医師・ご家族への連絡の時期と方法
臨終・その後の対応
⑺死生観と利用者の意思決定への支援

同意書についてはNPO法人アヴェニール グループホーム癒庵までお問い合わせください